隠岐の島町職員2857万円着服 – 読売新聞



 ◇国交付金や補助金

 隠岐の島町は8日、町の男性職員が、離島の漁業振興のための国の交付金など計2857万円を着服したと発表した。職員は7日、全額を返還したが、町は8日付で懲戒免職とした。町は刑事告発はしない方針。この職員は長年にわたり、交付金などを受給する団体の口座を一人で管理していたといい、町のずさんな公金管理の実態が浮き彫りになった。

 発表によると、懲戒免職になったのは西岡武志企画幹(43)。農林水産課で「離島漁業再生支援交付金」などの出納を担当していた2014年5月頃からの3年間で、三つの漁業団体の口座から約180回にわたり、1回につき2万~35万円を引き出して着服したという。西岡企画幹が今春に異動した後、不審な支出があることが発覚。町の調べに、「パチンコ、競馬などの遊興費に充てた」と話している。

 同交付金は、水産庁が50%、県と町が25%ずつ負担し、種苗放流や漁場改善など生産力向上のための事業に支給する。

 町によると、同町では33の漁業集落(800世帯)でつくる「隠岐の島町漁業集落」に、15、16年度で各1億880万円の交付金が予算化されたが、西岡企画幹は両年度で計約2653万円を着服したとされる。

 また同交付金の他に、マダイの稚魚育成、イワガキの安定生産事業を行う2団体への補助金でも計約204万円を流用したという。

 西岡企画幹は06年4月から農林水産課に在籍。同課は3団体の事務局でもあり、西岡企画幹が1人で3団体への交付金や補助金の出納など事務作業を担当、預金通帳と印鑑を保管して自由に扱っていたという。

 池田高世偉こうせい町長らは8日夕、役場で記者会見し、事態を説明するとともに、監督責任を問い、町長を減給30%(1か月)とするなど、4人の処分を発表した。池田町長は「起きてはならない事案。私の職員に対する服務規律の徹底が足りず、不正を見抜けなかった」と陳謝。佐々木千明農林水産課長は通帳と印鑑を別に保管したり、支出時は上司の決裁を受けたりするルールを守っていなかったと明かし、「西岡企画幹は長い間水産業務に携わって経験豊富だったため、1人で任せきりにしてチェックが働かなかった」と釈明した。

 ただ、町は西岡企画幹が猛省して着服金を返済したことや、免職処分を受けたことを理由に刑事告発はしないと説明した。

 一方、国や県は読売新聞の取材に対し、着服された離島漁業再生支援交付金の返還を求める方針を明らかにした。県水産しまね振興室は、同町だけでなく同交付金の受給団体がある隠岐の3町村に対しても、交付金の会計事務や使途などのチェック態勢を調査する。水産庁も県から報告を受けたうえで、県に行政指導を行うかなどを検討する。



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